近年では少子高齢化の影響で、買い手がつかない土地が増加しています。このような土地は管理や手間がかかったり、固定資産税が毎年かかったりするため「負動産」と呼ばれることがあります。
売れない土地は所持しておくだけでもコストがかかるため、思い切ってビジネスを始めて収益化を目指すのもおすすめです。この記事では土地が売れない原因をはじめ、売れない土地・田舎の土地でできるビジネスについて解説していきます。
土地が売れない原因とは?
売れない土地の特徴は、以下の4つが考えられます。
- 立地が悪い
- 不整形地(土地が極端に狭い、または変形した土地)
- 再建築不可物件
- 売却希望額が高すぎる
駅や市街地から遠い、立地の悪い土地は買い手がつきにくいです。郊外や田舎と比べると、都市部の土地の方が人気があります。また、土地の周辺に墓地や線路、高圧線の鉄塔などがある場合も、なかなか売れません。
立地以外で言えば、土地が極端に狭かったり変形していたりする不整形地も、なかなか買い手がつきません。たとえば、土地の形が三角形の場合は、建物を建てるには不向きです。
再建築不可物件とは、建築基準法を満たさず再建築できない土地のことです。現在建物が存在していたとして、解体して更地にしてしまうと新しく建物を建てることができません。
これらの土地は買い手がつきにくく、さらに売却希望額が高すぎる場合、まず土地は売れません。
売れない土地・田舎の土地でできるビジネス
土地がなかなか売れない場合、放置しておくと固定資産税が毎年かかったり、管理に手間や費用がかかったりします。放置しておくのであれば、土地活用としてビジネスをスタートするのもおすすめです。
売れない土地、田舎の土地を活用したビジネスは以下の7つがおすすめです。
- 駐車場経営
- コイン洗車場
- トランクルーム経営
- 野立て看板用地
- 資材置き場
- コインランドリー
- コワーキングスペース
駐車場経営
売れない土地、田舎の土地を活用したビジネスとして、まず考えられるのが駐車場経営です。駐車場には、下の2種類が存在します。
- コインパーキング
- 月極駐車場
違いを挙げるなら、コインパーキングは時間制で貸し出すスタイル、月極駐車場は、1ヶ月単位の賃貸契約を結ぶ運営方式です。コインパーキングも月極駐車場も、端に狭い土地や変形した土地であっても経営をスタートすることができます。
特にコインパーキングは、一時的に駐車するスタイルのため土地の形状よりも、立地やアクセスの良さがポイントです。逆に、月極駐車場は中長期的な契約のため、利用者にとっては出庫や駐車がしやすい形状の方が好まれます。
コイン洗車場
郊外や地方は車の保有率が高いため、田舎ではコイン洗車場を設置するのがおすすめです。ただし、コイン洗車場を経営する際は、近くにガソリンスタンドがないか確認してください。
ガソリンスタンドには、コイン洗車場や洗車機が併設されている場合があります。近所にこのようなガソリンスタンドが存在すると、利用者は給油と洗車を同時に済ませるため、経営が上手くいかない可能性があります。
トランクルーム経営
土地の広さが20坪程度であれば、トランクルーム経営がおすすめです。いくつかコンテナハウスを構築して、荷物置き場として貸し出すことができます。
トランクルームに利用されるコンテナハウスは、10坪前後が標準的な大きさです。コンテナハウスを積み上げることで、荷物置き場を増やすことができます。トランクルームは都市部の住宅街はもちろん、郊外や田舎でも「普段は利用しない物、その季節しか使わない物をどこかに置いておきたい。」というニーズが存在します。郊外や田舎は車の保有率が高いため、車で物を運びに来る人が多いです。
注意点として、トランクルーム経営は初期費用がかかります。基礎工事が必要な場合もあり、採算が合うかどうかを事前にシミュレーションしてください。
野立て看板用地
国道など大きな道路から目につきやすい場所であれば、野立て看板用地として土地を活用しましょう。土地に看板を立てるスペースを提供して、土地の使用料を受け取るビジネスです。
車や鉄道などからよく見える場所であれば、多くの人の目に留まります。看板を立てるだけなので、視認性が高ければ狭い土地でも始めることができます。
ただし野立て看板用地は、看板業者や広告代理店が申し出がないと話が進みません。また、広告料も月額2〜3万円が相場なので、高い収入は期待できないです。
資材置き場
市街化調整区域であれば、資材置き場として土地活用をしてみましょう。資材置き場とは、丸太やコンクリートなど建設資材を保管するためのスペースです。
資材置き場は、市街化調整区域の更地でよく見かけます。市街化調整区域とは、市街化開発をあまり行わず、都市化を抑制しているエリアです。
市街化調整区域では、建物を建てることが原則できません。そのため住宅街や商業施設から離れていることもあり、資材置場としては適した土地です。
コインランドリー
コインランドリーは初期費用がかかるため、賃貸での経営はおすすめできません。しかし、土地や建物を持て余している場合は、検討してみても良いでしょう。
余った土地でコインランドリーを始める場合、必要な初期費用は以下の通りです。
- 建物の建築費(※建物がある場合はリノベーション費用)
- 洗濯機(複数台)
- 乾燥機(複数台)
- カゴや椅子などの雑貨
初期費用は高額ですが、成功すれば一定の収益が見込めます。コインランドリーの売上は、立地や競合の有無などで大きく左右されます。また、近年では光熱費が高騰しているため、将来的なランニングコストも考慮する必要があるでしょう。
コワーキングスペース
都市部のベッドタウンや郊外に、土地と一緒に建物を保有している場合は、コワーキングスペースの経営もおすすめです。コワーキングスペースとは、働く場所を利用者に提供して会費を得るビジネスです。
公益財団法人・日本生産性本部 「第14回 働く人の意識に関する調査 調査結果レポート」のデータによると、2024年1月度のテレワーク実施率は、中小企業が低下傾向で大企業が増加傾向にあります。
都市部のベッドタウンや郊外であれば、大企業にお勤めの人も多いです。マーケティング調査は必要ですが、場所によっては安定した収益を期待できます。
まとめ
今回は土地が売れない原因や、売れない土地・田舎の土地でできるビジネスについて解説しました。
土地は所有しているだけでもコストがかかります。売れない土地や田舎の土地でも、条件次第ではビジネスを始めることが可能です。
「この立地には、どんなビジネスが適しているのか?」
このことを吟味した上で、事前にマーケティングをして、思い切って売れない土地をビジネスとして活用してみましょう。