トレーラーハウスで賃貸経営｜活用例、メリットや注意点を解説

トレーラーハウスでの賃貸経営は、近年注目を集める新しいビジネスモデルです。固定資産税の回避や初期費用の低さ、設置場所の柔軟性など、多くのメリットを持つトレーラーハウスは、個人事業主から投資家まで幅広い層に支持されています。

リゾート地や市街化調整区域での活用、短期滞在型物件としての提供など、多様な運用が可能です。移動可能という独自の特徴を活かし、地域のニーズや市場動向に対応できる点も大きな魅力です。

今回はトレーラーハウスを活用した賃貸物件の例から、トレーラーハウスで賃貸経営をするメリットと注意点について解説していきます。

【例】トレーラーハウスを活用した賃貸物件

トレーラーハウスを活用した賃貸物件は、次のようなものがあります。

• 賃貸住宅
• コワーキングスペース
• 店舗やカフェ

賃貸住宅

トレーラーハウスは、単身者やカップル向けの賃貸住宅として人気があります。特にリゾート地や観光地では、短期滞在用のバケーションレンタルとして利用されることが多いです。家具付きで提供することが容易なため、入居者にとって利便性が高く、オーナー側も収益性を期待できます。

また、週末だけ利用する別荘やセカンドハウスとしても需要があり、アウトドア志向の強い層に人気です。市街化調整区域にも設置可能で、自然を満喫できる環境を提供します。

コワーキングスペース

自然豊かな場所に設置することで、リモートワークや集中作業に適した環境を提供できます。移動可能なため、イベントや季節に応じて設置場所を変更することも可能です。これにより、柔軟な働き方をサポートする新しいビジネスモデルとして注目されています。

店舗やカフェ

トレーラーハウスを店舗やカフェとして活用する例も増えています。独自のデザインを取り入れやすく、集客力を高める効果があります。特に移動販売車として利用する場合、希望するエリアで気軽に営業を開始できる点が魅力です。

トレーラーハウスで賃貸経営するメリット

トレーラーハウスで賃貸経営するメリットは、次の通りです。

• 初期費用の低さ
• 設置場所の柔軟性
• 節税効果
• 移動可能性
• 入居者ニーズへの対応
• 資産の流動性

初期費用の低さ

トレーラーハウスは、通常の建築物に比べて初期費用が大幅に抑えられます。例えば、建築物では基礎工事や建築確認申請が必要ですが、トレーラーハウスはこれらが不要な場合が多く、数百万円程度から導入可能です。また、設置までの工期が短いため、迅速に賃貸経営を開始できます。

設置場所の柔軟性

市街化調整区域や建築制限のある土地にも設置可能で、遊休地の有効活用が期待できます。例えば、観光地やリゾート地など、通常の建築物では難しい場所でも収益化が可能です。

節税効果

トレーラーハウスは車両として扱われるため、固定資産税がかからない場合が多いです。さらに、減価償却期間が短く、4年で償却可能なため、早期に経費として計上でき、税負担を軽減できます。

移動可能性

需要の変化に応じて別の場所に移動できるため、柔軟な運用が可能です。例えば、観光シーズンに合わせてリゾート地に移動させるなど、収益を最大化する戦略が取れます。

入居者ニーズへの対応

トレーラーハウスは、独自のデザインや設備を取り入れやすく、アウトドア志向の強い層や個性的な住まいを求める入居者にアピールできます。また、家具付き物件として提供することで、短期滞在者にも対応可能です。

資産の流動性

トレーラーハウスは動産として扱われるため、不要になった場合には売却が容易です。中古市場でも需要があり、状態が良ければ高値で取引されることもあります。

これらのメリットを活かすことで、トレーラーハウスを用いた賃貸経営は、従来の不動産投資とは異なる新しいビジネスモデルとして注目されています。

トレーラーハウスで賃貸経営する際の注意点

トレーラーハウスで賃貸経営する際の注意点は、次の通りです。

• 自治体の規制を確認する
• 運搬費用と設置費用
• 建築物扱いになる可能性がある
• 移動時の許可
• 耐久性とメンテナンス
• 入居者のニーズに応じた設計

自治体の規制を確認する

トレーラーハウスは建築基準法の適用外となる場合が多いですが、自治体ごとの条例や規制によって設置が制限されることがあります。

特に都市部や景観地区、自然保護区域では、設置が禁止されている場合や特別な許可が必要になることがあります。事前に設置予定地の自治体に確認を行い、必要な手続きを把握しておくことが重要です。

運搬費用と設置費用

トレーラーハウスの設置には、運搬費用と設置費用がかかります。運搬費用は距離やサイズ、重量によって異なり、10万円〜50万円程度が一般的です。また、設置場所の整地やライフラインの接続工事などにも、追加費用が発生する可能性があります。

建築物扱いになる可能性がある

トレーラーハウスが建築物とみなされる場合、建築確認申請が必要になり、固定資産税の対象となることがあります。

例えば、タイヤが取り外されている場合やライフラインの接続が工具を使用しないと着脱できない場合などが該当します。これらの条件を満たさない場合、車両としてのメリットを享受できなくなる可能性があります。

移動時の許可

トレーラーハウスを公道で移動する際には、「特殊車両通行許可」が必要になる場合があります。特に大型のトレーラーハウスを移動させる場合、道路交通法に基づく許可を取得する必要があります。

移動経路や日時、車両のサイズなどを詳しく記載した申請が必要で、許可が下りるまでに時間がかかることもあるため、余裕を持った準備が求められます。

耐久性とメンテナンス

トレーラーハウスは通常の建築物よりも耐久性が低い場合があるため、定期的なメンテナンスが必要です。特に外装やライフラインの接続部分は劣化しやすいため、定期的な点検と修理を行うことで長期的な使用を可能にします。

入居者のニーズに応じた設計

トレーラーハウスは独自のデザインや設備を取り入れやすい反面、入居者のニーズに応じた設計が求められます。

例えば、アウトドア志向の強い層には自然を楽しめる仕様、短期滞在者には家具付きの物件など、ターゲット層に合わせた工夫が必要です。

これらの注意点を踏まえた上で、トレーラーハウスを活用した賃貸経営を計画することで、リスクを最小限に抑えながら収益を最大化することが可能です。

トレーラーハウスの価格と購入時の注意点

こちらでは、トレーラーハウスの価格と購入時の注意点について解説していきます。

中古のトレーラーハウスなら100万円台から購入可能

中古のトレーラーハウスの価格は、状態やサイズ、設備によって幅があります。

低価格帯なら100万円以下から購入可能で、個人間取引やオークションで見つかる場合があります。ただし、状態が悪いものや修理が必要な場合が多いので注意が必要です。

150万〜300万円の中価格帯なら比較的状態が良いものもあり、基本的な設備が整ったものがこの価格帯に含まれます。住居や事務所として、利用可能なものも多いです。

300万〜500万円以上の高価格帯なら設備が充実しており、状態が非常に良いものや、特注仕様のトレーラーハウスが含まれます。特にリゾート地や店舗として利用される場合に適しています。

購入時の注意点

トレーラーハウスは外観だけでなく、内部の設備やシャーシ部分の状態をしっかり確認しましょう。特に雨漏りやカビの有無は重要です。

また、付属設備についても確認してください。冷暖房やキッチン、トイレなどの設備が付属しているか確認することで、追加費用を抑えられる場合があります。

専門業者から購入する場合は、メンテナンスや保証が付くことが多く、安心して取引できます。一方、個人間取引では価格が安い反面、トラブルのリスクが高まります。

まとめ

トレーラーハウスの賃貸経営にはメリットもありますが、気を付けなければならないこともいくつかあります。

賃貸経営をする際は注意点を把握した上で、法律の専門知識のある行政書士と相談しながら、トレーラーハウスの購入から賃貸経営まで進めるのがおすすめです。