トレーラーハウスで事業をする際に、申請できる補助金はある?

現在、トレーラーハウスを使って飲食業や宿泊施設を開業する人、会社が増えつつあります。
事業を開始する際に、国の補助金・助成金制度を活用することができますが、トレーラーハウスは対象でしょうか?
結論から申し上げると、2025年3月現在においてトレーラーハウス本体が直接対象になる補助金はありません。
しかし事業の内容によっては、トレーラーハウスの設備や設備の設置に使える補助金は存在します。
今回の記事では、トレーラーハウス事業で使える可能性のある、「事業再構築補助金」について解説していきます。
トレーラーハウス本体が直接対象になる補助金は現在ない
トレーラーハウスをオフィスとして使ったり、店舗として利用したかったりする際、トレーラーハウス本体が対象になる補助金はありません。
過去には、環境省が実施していた補助金で、一部トレーラーハウスが対象となっていた補助金がありましたが、2023年度(令和5年度)で終了しています。
参考:建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(経済産業省・国土交通省・厚生労働省連携
そして2025年現在3月、トレーラーハウス本体が直接対象になる補助金は存在しません。
トレーラーハウス事業で使える「事業再構築補助金」
トレーラーハウス事業で使用できる可能性のある補助金は、事業再構築補助金です。
事業再構築補助金とは、新しい分野の展開や事業・業種転換など、事業の再構築に挑戦する中小企業を支援する補助金です。
出典:事業再構築補助金
つまり、トレーラーハウスを購入して新しい事業に挑戦したり、事業の再構築や改善を進めたりしたい場合、事業再構築補助金を活用することができます。
事業再構築補助金の対象、内容について
事業再構築補助金は、全てのトレーラーハウス事業に適用されるわけではありません。こちらでは、事業再構築補助金の対象や内容、注意点について解説していきます。
補助金の対象
事業再構築補助金の対象は、次の通りです。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
- 事業計画について金融機関等や認定経営革新等支援機関の確認を受けること
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加の達成
補助金が下りやすい、下りない具体例を次にまとめたので参考にしてください。
補助金が下りやすい例
・食品の製造会社がトレーラーハウスを購入して、自社の食品を使った飲食店を始める
・会社の土地に、トレーラーハウスを使った宿泊施設や飲食店など、新しい事業を始める
・林業を生業としている会社が、トレーラーハウスの製造販売業へと業種転換を図る
補助金が下りない例
・会社の敷地内に、トレーラーハウスを使って新しい事務所を設ける
・駐車場のエリアに、トレーラーハウスを使って事務所を建設する
過去の採択例として目立つのは、飲食店や商業施設、宿泊施設としての事業をスタートさせる際に、店舗としてトレーラーハウスを活用している事例です。
つまり、既存事業のノウハウを活かしながら新規性のある事業への挑戦が、補助金が下りるポイントになります。
補助金の具体的な例については、経済産業省の資料からも確認できます。
参考:事業再構築指針の手引き
補助の上限額や補助率
事業類型ごとによって、補助上限額や補助率がそれぞれ定められています。詳しくは、次の表を参考にしてください。
事業類型 | 内容 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|---|
成長分野進出枠(通常類型) | ・ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者向け ・国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種、業態の事業者向け | 【従業員数20人以下】 1,500万円 (※a.2,000万円) 【従業員数21~50人】 3,000万円 (※a.4,000万円) 【従業員数51~100人】 4,000万円 (※a.5,000万円) 【従業員数101人以上】 6,000万円 (※a.7,000万円) (一部廃業を伴う場合2,000万円上乗せ) | 中小1/2 (※a.2/3) 中堅1/3 (※a.1/2) |
成長分野進出枠(GX進出類型) | ・ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行う事業者向け | ・中小【従業員数20人以下】 3,000万円 (※a.4,000万円) 【従業員数21~50人】 5,000万円 (※a.6,000万円) 【従業員数51~100人】 7,000万円 (※a.8,000万円) 【従業員数101人以上】 8,000万円 (※a.1億円) ・中堅1億円 (※a.1.5億円) | 中小1/2 (※a.2/3) 中堅1/3 (※a.1/2) |
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) | ・コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者向け | 【従業員数5人以下】 500万円 【従業員数6~20人】 1,000万円 【従業員数21人以上】 1,500万円 | 中小3/4 (※b.2/3) 中堅2/3 (※b.1/2) |
※a.短期に大規模な賃上げを行う場合
※b.コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合
出典:事業再構築補助金リーフレット
申請前に覚えておきたい注意点
事業再構築補助金を、申請する前に覚えておいていただきたいのは、トレーラーハウス本体は補助の対象外になります。対象となるのは、トレーラーハウスに搭載する設備や、設備の設置に必要な費用です。
また、補助金が採択されたからといって、必ず支給されるとは限りません。申請した事業に対して、支出がどれくらいあったのか、経費をどのようにに使ったのか、などを細かく記録して、最終的に補助金の支給申請をする必要があります。
補助金の申請は専門家に相談しながらがおすすめ

補助金を申請するには、専門的な知識が必要です。また、申請をして補助金が支給されるまで、多くの工数がかかります。
そのため、トレーラーハウスを使って事業再構築補助金を申請するのであれば、代行会社や行政書士に相談するのがおすすめです。
たとえばトレーラーハウスを使って、新規事業として宿泊施設を始めるなら、旅館業に強い行政書士に相談するのがおすすめです。旅館の営業申請とともに、補助金についても相談してみてください。
専門知識や経験が豊富で、営業許可はもちろん、補助金の申請が通るかどうかについても、親身になって相談してくれます。
まとめ
トレーラーハウスを使って新規事業を始めたり、事業転換を図ったりする場合は、事業再構築補助金の活用を検討してみてください。
補助金の申請は、専門知識や経験が豊富な会社や行政書士に相談するのがおすすめです。その事業に精通した専門の行政書士であれば、営業許可と共に補助金について相談できます。