トレーラーハウスとは?メリット・デメリットや価格、活用例を解説
トレーラーハウスとは車両としての構造を持ち、牽引によって移動できる住まいのことです。
近年、自由なライフスタイルを求める人々の間で注目されており、住居や店舗、仮設施設など多彩な用途で活用されています。
建築物ではなく車両として扱われるため、固定資産税がかからないケースもあり、設置場所の選択肢が広がるのがメリットです。一方で設置条件や価格、メンテナンスなどのデメリットも存在します。
今回の記事では、トレーラーハウスの特徴や種類、住宅との違い、価格の目安、メリット・デメリットを解説していきます。
トレーラーハウスとは?

トレーラーハウスとは、車両としての構造を持ち、牽引によって移動可能な住居のことです。
住居ですが基本的には「建築物」ではなく「車両」として扱われます。そのため、原則として固定資産税の対象外であり、設置場所によっては建築確認申請が不要な場合もあります。
ただし設置には一定の条件があり、地面との接続方法や移動可能性を保たなければいけません。
内部は一般的な住宅と同様にキッチンやトイレ、浴室などを備え、断熱性や耐久性も高く、長期的な居住にも対応しています。
近年では別荘や店舗、災害時の仮設住宅としても注目されており、柔軟なライフスタイルを実現する選択肢として注目が集まっています。
トレーラーハウスの種類
トレーラーハウスは、検付トレーラーハウスと大型トレーラーハウスの2種類に分類されます。こちらでは、それぞれの概要について詳しく解説していきます。
車検付トレーラーハウス
車検付トレーラーハウスは、ナンバープレートを取得し、道路運送車両法に基づく車検を受けた移動可能な住居です。
公道を牽引して移動できるため、設置場所を変える柔軟性が高く、用途に応じて別荘や店舗、災害時の仮設住宅など幅広く活用されています。
車両扱いされるトレーラーハウスは、道路運送車両の保安基準第2条によって、次のようにサイズが決められています。
| 車検付トレーラーハウスのサイズ条件 |
|---|
| 全長:12m以内 全幅:2.5m以内 全高:3.8m以内 |
構造的には住宅と同等の快適性を備えつつ、車両としての基準も満たさなければいけません。そのため、シャーシの強度や灯火類の設置などが求められます。
設置時には地面との固定を避け、タイヤが接地し移動可能な状態を保つことが重要です。
これにより建築物としてではなく車両として扱われ、建築確認申請が不要となるケースもあります。
大型トレーラーハウス
基本的に道路運送車両の保安基準第2条のサイズを超えたものは、大型トレーラーハウスとなります。
大型トレーラーハウスは、居住性と機能性を重視した広めの設計が特徴です。
リビングやキッチン、バスルーム、寝室などをゆったりと配置できるため、複数人での長期滞在にも対応できる住空間を備えています。
ただし、特殊車両扱いとなるため、車検を取得することができません。移動をする際は陸運局や警察に、公道を走行するための届出が必要です。
トレーラーハウスのメリット

トレーラーハウスのメリットは、自由に移動できたり、設置場所を選ばなかったりすることです。また、一般的な戸建住宅よりも初期費用やランニングコストが安く済みます。
| トレーラーハウスのメリット |
|---|
| ・自由に移動ができる ・設置場所の自由度が高い ・一般的な戸建住宅よりもコストが安い |
自由に移動ができる
トレーラーハウスの大きな魅力のひとつは、必要に応じて設置場所を移動できる点にあります。
ナンバープレートを取得し車検を通したタイプであれば、公道を牽引して移動することが可能です。
たとえば、自然豊かな場所に拠点を構えたり、季節やライフスタイルの変化に合わせて住まいを移すといった柔軟な暮らし方が実現できます。
さらに、災害時の一時避難や事業用途での移設にも対応できるため、固定された住宅にはない機動性が大きなメリットとなります。
設置場所の自由度が高い
トレーラーハウスは建築物ではなく車両として扱われるため、設置場所の自由度が高い点が大きなメリットです。
市街化調整区域のように原則として建築が制限される土地でも、一定の条件を満たせば設置可能なケースがあります。
地面に固定せず、タイヤが接地し移動可能な状態を保つことで、建築確認申請が不要となる場合もあり、土地の選択肢が広がります。
これにより、自然豊かな郊外や商業地の空き地など、従来の住宅では難しかった場所にも柔軟に対応することが可能です。
一般的な戸建住宅よりもコストが安い
トレーラーハウスは、一般的な戸建住宅と比べて建築費用がかからないため、初期費用を大幅に抑えられるのが特徴です。
基礎工事や建築確認申請が不要なケースも多く、土地の整備費用も最小限で済みます。
また、固定資産税の対象外となることが多く、維持管理費や税金といったランニングコストも軽減されます。
断熱性や設備の性能も年々向上しており、光熱費の面でも効率的な暮らしが可能です。
コストを抑えつつ快適な住環境を求める人にとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。
トレーラーハウスのデメリット
トレーラーハウスのデメリットとして、設置場所には一応の制限があることや、プレハブと比べると価格が高いことです。
また、定期的なメンテナンスをしないと、雨漏りやさびなどが発生するかもしれません。
| トレーラーハウスのデメリット |
|---|
| ・設置場所には一応の制限がある ・プレハブと比べると価格が高い ・定期的なメンテナンスが必要 |
設置場所には一応の制限がある
トレーラーハウスは設置の自由度が高いとされますが、実際には一定の制約があります。たとえば、急勾配の土地では水平を保てず設置が困難です。
また、設置予定地までの道路が狭かったり、急カーブが多かったりする場合、大型車両での搬入ができず、現地まで運ぶこと自体が不可能になることもあります。
さらに、地盤が弱い場所では重量に耐えられず、安全な設置が難しいです。こうした物理的条件を事前に確認しないと、希望の場所に設置できないリスクがあります。
プレハブと比べると価格が高い
トレーラーハウスは高い居住性や断熱性能を備えている一方で、プレハブ建築と比べると初期費用が高めになる傾向があります。
特に車検対応の構造や移動可能なシャーシの装備、内装のグレードなどがコストに反映されます。そのため、簡易的な仮設建築物としてのプレハブと比べると価格差が生じやすいです。
また、輸送や設置にかかる費用も加算されるため、予算を重視する場合は事前に見積もりを確認することが重要です。
定期的なメンテナンスが必要
トレーラーハウスは移動可能な構造ゆえに、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特にシャーシやタイヤ、連結部分など車両としての機能を保つための点検が必要です。長期間設置したままにしていると、劣化が進む恐れがあります。
また、屋根や外壁の防水処理、断熱材の劣化確認など、住宅としての快適性を維持するための保守も重要です。
適切なメンテナンスを怠ると、住環境の悪化や安全性の低下につながる可能性があります。
トレーラーハウスの活用例

トレーラーハウスは住居やオフィスをはじめ、宿泊施設や災害時の避難所など、さまざまな場面で活用できます。
| トレーラーハウスの活用例 |
|---|
| ・住居 ・オフィス ・店舗利用 ・宿泊施設 ・災害時の避難所 ・仮設住宅 ・公共施設 ・医療機関や介護施設 ・ワンウェイコンテナトレーラー |
住居
トレーラーハウスは、移動可能な構造を持ちながらも、住宅としての快適性を備えています。
内部にはキッチンやバスルーム、トイレ、寝室などが備えられ、断熱性や気密性も高く、四季を通じて快適に暮らせる仕様です。
そのため、実際の住居として利用するケースが増えています。
建築確認が不要な場合もあり、土地の制約が少ない点も魅力です。定住型として利用する人も多く、自然豊かな郊外や市街化調整区域での新たな住まいの選択肢として注目されています。
オフィス
トレーラーハウスは、移動可能でありながら快適な空間を確保できることから、オフィス用途としても注目されています。
電源や空調、インターネット環境を整えれば、一般的な事務所と同等の機能を持たせることができます。
トレーラーハウスは建築確認が不要なケースもあり、短期間での設置や撤去がしやすいです。そのため仮設オフィスや地方拠点、イベント会場での臨時事務所としても活用されています。
土地の制約が少ないため、柔軟な事業展開を支える選択肢として導入が進んでいます。
店舗利用
トレーラーハウスは飲食店やアパレルショップ、美容室といった小規模店舗の開業にも適しています。
建築確認が不要な場合が多く、短期間での設置が可能なため、初期投資を抑えながらスピーディに営業を始められるのが魅力的です。
内装は自由にカスタマイズでき、移動も可能なため、イベント出店や立地変更にも柔軟に対応できます。
限られたスペースでも効率的にレイアウトを工夫すれば、快適な接客空間を実現できます。
宿泊施設
トレーラーハウスは、宿泊施設としての活用にも適しており、グランピング施設や簡易宿泊所として導入が進んでいます。
建築確認が不要なケースもあるため、自然豊かな場所や市街化調整区域などにも設置しやすく、土地活用の自由度が高いのが特徴です。
断熱性や水回り設備を備えたモデルも多く、快適な滞在環境を提供できます。移動や増設も比較的容易なため、季節営業やイベント対応型の宿泊ビジネスにも柔軟な対応が可能です。
災害時の避難所
トレーラーハウスは、災害時の避難所としても有効に活用されています。
断熱性や水回り設備を備えたモデルであれば、避難生活中でもプライバシーや快適性を確保しやすく、長期滞在にも対応可能です。
移動が容易なため、被災地近くに迅速に設置でき、仮設住宅としての役割を果たします。建築確認が不要なケースも多く、行政や自治体による導入も進んでいます。
災害発生時の柔軟な住環境の確保手段として注目されています。
仮設住宅
トレーラーハウスは、災害時などにおける仮設住宅としての活用にも適しています。移動が容易で設置工事が不要なため、被災地への迅速な導入が可能です。
内部にはキッチンやトイレ、シャワーなどの生活設備を備えることができ、長期滞在にも対応できる快適な空間を確保できます。
建築物として扱われないため、設置場所の選択肢が広く、復旧支援の現場や避難者の生活拠点として柔軟に運用できる点が評価されています。
公共施設
トレーラーハウスは、公共施設としての活用も進んでおり、仮設のトイレや喫煙所として導入されるケースが増えています。
移動が容易で、設置工事が不要なのが利点です。イベント会場や工事現場、公園など必要な場所に迅速に配置できます。
建築物に該当しないため、設置に関する法的な手続きが簡略化される点も、自治体や企業にとって導入しやすい要因です。
医療機関や介護施設
トレーラーハウスは、医療機関や介護施設の補助的な空間としても活用が進んでいます。
たとえば、発熱外来やワクチン接種会場としての臨時診療所、高齢者のデイサービスや相談室などに対応できる柔軟性があります。
断熱性や換気性能を備えた構造により、衛生管理や快適性も確保しやすく、必要な設備を整えれば医療・福祉の現場でも十分に機能します。
移動や増設が容易なため、地域のニーズに応じた迅速な対応が可能です。
ワンウェイコンテナトレーラー
ワンウェイコンテナトレーラーとは、一度きりの輸送に使われた新品同様の海上コンテナを再利用したトレーラーハウスです。
構造や性能はほぼ新品と変わらず、多少の傷がある程度で高品質な状態を保っています。輸送後すぐに使用できるため、事務所や倉庫、簡易店舗としての導入がスムーズです。
ナンバープレートを取得すれば建築確認申請が不要なケースもあり、設置の自由度が高いのも魅力です。
コストを抑えつつ実用性と機動性を兼ね備えた選択肢として注目されています。
ワンウェイコンテナトレーラーについては、こちらを参考にしてください!
トレーラーハウスの購入価格とは?
トレーラーハウスには、トレーラー本体価格のほか、運搬費用や設置費用などが必要です。
たとえば2〜3人で生活する、風呂・トイレ付きのトレーラーハウスの場合、総額で750万〜1,050万円ほどの費用がかかります。
トレーラーハウスにかかる総額費用は、次の表を参考にしてください。
| 概要 | 費用 |
|---|---|
| トレーラーハウス本体 (風呂・トイレ付き、2~3人用) | 500万~800万円 |
| シャーシ | 約110万円 |
| 輸送 | 約15万円 |
| インフラ整備 | 約115万円 |
| 税金 | 約10万円 |
| 合計 | 750万~1,050万円 |
※費用はあくまで目安です。
トレーラーハウスで生活するには、トレーラーハウス本体以外にも、土台となるシャーシや輸送費用、インフラ整備などの費用がかかります。
トレーラーハウスの価格については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
[Q&A]トレーラーハウスの疑問・質問
こちらでは、トレーラーハウスの疑問・質問について解説していきます。
Q.トレーラーハウスの弱点は何ですか?
A.弱点を挙げるとすれば、運搬にかかるコストがかかるところと、定期的なメンテナンスが必要なところです。
ただし、一般的な戸建住宅と比べて建築費用がかからないため、初期費用を大幅に抑えることができます。
メンテナンスに関してはシャーシやタイヤ、連結部分など車両としての機能を保つための点検が必要です。
Q.トレーラーハウスは何年住めますか?
A.しっかりとメンテナンスすれば20年、長くて30年ほど住むことができると言われています。
Q.トレーラーハウスに住むと固定資産税はかかりますか?
A.トレーラーハウスは基本的に「車両」扱いのため、固定資産税は発生しません。
ただし、トレーラーハウスが車両扱いになる条件として、いつでも移動可能であることが条件です。
Q.トレーラーハウスで住民票は取得できますか?
A.トレーラーハウスでも、住民票の取得は可能です。
ただし、設置場所が法的に居住可能な土地であることや、水道・電気・ガスなどのライフラインが整っていることなど、条件や注意点があります。
トレーラーハウスの住民票取得については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
まとめ
トレーラーハウスとは、車両としての構造を持ち、移動可能な住居として多様な用途に活用できる新しい住まいの形です。
価格や設置条件、メンテナンスなどのデメリットもありますが、自由な移動やコスト面でのメリットは大きく、柔軟なライフスタイルを実現する選択肢として注目されています。
この記事を通じて、違いや特徴を知り、後悔のない選択につながる一助となれば幸いです。