トレーラーハウスとは?種類や費用、活用方法を解説

トレーラーハウスとは、車輪のついた移動可能な住宅のことで、一般的な建築物とは異なり、特定の土地に固定されないのが特徴です。
欧米では住宅や別荘として広く利用されており、日本でも災害時の仮設住宅や宿泊施設、店舗として注目されています。
コストを抑えつつ快適な住空間を確保できることから、新たなライフスタイルとしても関心が高まっています。
こちらでは、トレーラーハウスの種類やメリット・デメリット、トレーラーハウスの活用方法について解説していきます。
トレーラーハウスとは、タイヤのついた家

トレーラーハウスを一言で表すと、タイヤのついた家です。タイヤがついた車両の上に建物が乗っており、牽引可能なものを指しています。
トレーラーハウスは、エンジンがついていないため自走することができず、移動する場合は牽引車が必要です。
トレーラーハウスは「建物」ではなく、基本的に「車両」に分類されます。そのため、トレーラーハウスのサイズにもよりますが、建築物としての固定資産税はかかりません。
トレーラーハウスの種類
トレーラーハウスは、2種類に分類されます。それは、車検付トレーラーハウスと大型トレーラーハウスです。
車検付トレーラーハウス
車検付トレーラーハウスとは、「車両」として分類されるトレーラーハウスのことです。車両扱いされるトレーラーハウスは、保安基準第2条によってサイズが決められています。
車検付トレーラーハウスの条件
全長12,000mm、全幅2,500mm、全高3,800mmを超えないもの
このサイズのトレーラーハウスは自動車と同じ扱いとなり、車検を取得できナンバープレートがつきます。
車検付トレーラーハウスは車両扱いになりますので、牽引車と合わせることで、いつでも行動を走行することが可能です。
大型トレーラーハウス
保安基準第2条のサイズ(全長12,000mm、全幅2,500mm、全高3,800mm)を超えたものは、大型トレーラーハウスとなり車検は取れません。
ナンバープレートを付けられないので、公道を走行する際には「基準緩和認定書」「特殊車両通行許可証」という2つの書類の交付を受ける必要があります。
そして、それらの書類に基づいて公道を走行することになります。
トレーラーハウスのメリット・デメリット

こちらでは、トレーラーハウスのメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
トレーラーハウスのメリットは、主に次の通りです。
- 自由に移動できる
- 設置場所を選ばない
- 家と同等のインフラ整備ができる
トレーラーハウスにはタイヤが付いているため、自由に移動できます。また、家を建てられない市街化調整区域にも設置できるため、利便性の高さが特徴です。
またトイレやキッチン、お風呂などのインフラ整備ができるため、住宅と同じ設備を用意することが可能です。
トレーラーハウスの導入シーンは個人の住宅から、飲食店や事務所、宿泊施設などさまざまな用途があります。
「飲食店をオープンしたが立地戦略が上手くいかず、移動してやり直したい。」
例えば、このような考えが出てきた際に、トレーラーハウスならインフラ整備そのままに、車両の特徴を活かしていつでも移動できます。
デメリット
トレーラーハウスのデメリットは、主に次の通りです。
- 移動させる際に、コストがかかる
- メンテナンスが定期的に必要
トレーラーハウスは自走ができないため、移動するには牽引車が必要です。また、車体が大きいため、重量のあるトレーラーハウスは日本の道では思うように移動できません。
その際、トレーラーハウスを移動する際には、費用面をはじめコストがかかります。
また、トレーラーハウスはメンテナンスが定期的に必要です。メンテナンスしないと雨漏りや錆などが発生し、仕事や住み心地にも影響します。
トレーラーハウスの活用法

トレーラーハウスは住宅をはじめ、さまざまな場面で活用できます。トレーラーハウスの活用法は、主に次の6つです。
- 住居
- オフィス
- 飲食店などの店舗利用
- 宿泊施設
- 災害時の避難所
- 仮設住宅
住居
トレーラーハウスは、住居として活用することができます。条件もありますが、住民票を取得して住むことも可能です。
トレーラーハウスを自宅として住民票を取得するには、トレーラーハウスを設置する土地が自身の所有地、または賃借地でなければなりません。
オフィス
たとえば運送会社の事務所など、トレーラーハウスはオフィスとして利用されています。
自治体にもよりますが、トレーラーハウスの導入に際して、自治体や国からの補助金や助成金を利用できる場合があります。
※必ず事前に自治体へ相談してください。
飲食店などの店舗利用
飲食店や美容室、ネイルサロンなど、店舗利用にトレーラーハウスが使われているケースは珍しくありません。
たとえば、出店のために一定期間テストマーケティングをしたり、立地を変えて新しい場所でお店を再スタートしたりすることができます。
宿泊施設
トレーラーハウスを活用して、旅館業を始めることができます。景色の良い場所に土地を購入して、宿泊施設はトレーラーハウスを活用するということも可能です。
浄化槽の設置もあるので、トレーラーハウスを使って旅館業をする場合は、専門の行政書士にお任せしましょう。
災害時の避難所
災害が起きた際の診療所、一時的な避難所として、トレーラーハウスは役に立ちます。
人が住む場所を車で持って行くことができ、建築基準法に定義される「建築物」には該当しないため、いざという際の避難所として活用しやすいです。
仮設住宅
災害が起きたときの避難民、またボランティアでやってきた人のための仮設住宅として、トレーラーハウスは活用できます。
また災害以外にも、リゾート開発をする際に、大量の働き手が住むための一時的な住まいとして、車両の特徴を活かしてトレーラーハウスを仮設住宅として活用できます。
【総額】トレーラーハウス購入にかかる費用
トレーラーハウスにかかる費用は、本体価格のほかに運搬費用や設置費用などが必要です。
トレーラーハウス購入にかかる費用は、次の表を参考にしてください。
内訳 | 料金 |
---|---|
本体価格 | 150万円~800万円 |
運搬費用 | 20万円~ |
設置費用 | 12万円~ |
車検費用 | 5万円 |
税金 ※重量税、ナンバープレート、自賠責保険など | 10万円 |
※金額はあくまで目安です。
※車検付トレーラーハウスの場合の金額です。
本体価格ですが、中古のトレーラーハウスの場合は100万円台から、新品の場合は200万円台から購入できます。
そして、購入してから設置するまでに、運搬費用や設置費用が必要です。
トレーラーハウスは車両扱いのため、固定資産税はかかりません。しかし車両扱いになるため、車検費用や自動車関係の税金がかかってきます。
まとめ
トレーラーハウスは住宅のほか、企業のオフィスや店舗利用、災害時の仮設住宅や宿泊施設として利用することが可能です。
牽引車があれば違う場所に移動できるので、お店を出店する前のテストマーケティングにも使えます。
市街化調整区域にも設置できるため、ビジネス向けとして、トレーラーハウスの需要は年々高まりつつあります。