トレーラーハウスの移動方法は?手続きの流れ、費用面を解説

トレーラーハウスは一般的な住居とは異なり、自由に移動させられるのが魅力的です。自由に移動できるのは「住居」ではなく「車両」であるため、税金や設置場所選びにもメリットがあります。
今回の記事では、トレーラーハウスの移動方法、移動するための手続きや費用について解説していきます。また、トレーラーハウスを車両扱い、移動できることのメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
トレーラーハウスは「シャーシ」を使って移動する
トレーラーハウスにはエンジンが搭載されていないため、自力での走行はできません。そのため「シャーシ」という、タイヤの付いた牽引用の土台を使って移動します。
このシャーシの上に、トレーラーハウスなどの居住スペースが構築され、牽引車両によって目的地まで運ばれます。
シャーシを使ってトレーラーハウスを移動させる際には、専門の業者に依頼し、適切な牽引車両で輸送してもらうのが一般的です。移動には、設置場所までの道路状況や設置先の地形などを、事前に確認する必要があります。
トレーラーハウスの移動はサイズによって法律が異なる
トレーラーハウスの移動条件は、保安基準・第2条の制限を超えるかどうかによって異なります。次の表に、サイズ別の分類と移動条件をまとめました。
全高保安基準・第2条の制限内のサイズ ※車検付トレーラーハウス | 大型トレーラーハウス | |
---|---|---|
サイズ | 全長:12.0m 全幅:2.5m 全高:3.8m | 保安基準第2条の制限内のサイズを超えたもの |
ナンバープレート | 交付あり | 交付なし |
移動制限 | 特になし(高速道路は時速80km) | 高速道路は走行不可制限速度あり21時~翌朝6時までの走行 |
その他 | - | 基準緩和認定書、特殊車両通行許可証の提出あり |
保安基準・第2条の制限内のサイズはナンバープレートが交付され、公道を自由に走行できます。
大型のトレーラーハウスは、移動前に「基準緩和認定書」と「特殊車両通行許可証」の取得が必要です。手続きには3ヶ月程度かかり、速度や走行時間帯にも制限があります。
自分でトレーラーハウスを移動するなら「牽引免許」が必要
トレーラーハウスの総重量が750kgを超える場合、牽引免許が必要です。ちなみに、750キロ未満のトレーラーハウスだと、軽自動車〜小さなキャンピングカー程度の大きさのため、インフラ設備の充実は難しいでしょう。
牽引免許を取得するには、自動車教習所での講習を受けて試験に合格する必要があり、時間と費用がかかります。
さらに、トレーラーハウスを移動や設置をする際には、設置場所の地形や道路状況、法的な規制などを事前に確認することが重要です。大型のトレーラーハウスを移動するとなると、道路の幅や曲がり角の半径など、物理的な制約を考慮しなければいけません。
これらの点を踏まえると、トレーラーハウスを安全かつ適法に移動するためには、専門の業者に相談するのがおすすめです。
トレーラーハウスの移動は業者にお願いするのがおすすめ
牽引免許を取得する時間や費用、移動ルートや設置場所の確認を考えると、トレーラーハウスの移動は業者にお願いするのがおすすめです。
専門業者は必要な手続きや許可の取得、適切な輸送手段の選定など、総合的なサポートを提供してくれます。
こちらでは、トレーラーハウスの移動を業者にお願いする際の流れ、費用について解説していきます。
手続きから移動までの流れ
トレーラーハウスの移動を専門業者に依頼する際の、一般的な手順は次のとおりです。
- 業者への連絡、相談
- 見積もりと現地調査
- 契約の締結
※大型トレーラーハウスの場合は、必要書類の申請がある
- トレーラーハウスの移動
①:業者への連絡、相談
まず、トレーラーハウスの移動を希望する業者に連絡を取ります。この際、依頼者の情報(氏名、連絡先)、トレーラーハウスの現在地と移動先、希望する移動日、トレーラーハウスの車種などの詳細を伝えて、相談してください。
②:見積もりと現地調査
業者は提供された情報を参考に、見積もりを作成します。また必要に応じて、トレーラーハウスの現在地や移動先の現地調査を行い、道路の幅や設置場所の状況などを確認します。これにより、移動の可否や正確な費用が決まります。
③:契約の締結
見積もり内容や金額に納得した場合、正式に契約を結びます。料金は指定された方法で、期日までに支払ってください。
※大型トレーラーハウスの場合は、必要書類の申請がある
保安基準・第2条の制限を超える大型トレーラーハウスの場合、「基準緩和認定書」や「特殊車両通行許可証」の取得が必要です。
これらの申請手続きは業者が代行することが多く、取得までに約3か月を要するため、早めの対応が求められます。
④:トレーラーハウスの移動
準備が完了次第、業者がトレーラーハウスを現在の設置場所から引き取り、指定の場所まで輸送します。新しい設置場所での設置作業や引き渡しを経て、移動は完了します。
移動にかかる費用
トレーラーハウスの移動費用は、サイズ、重量、移動距離、必要な許可手続きなどの要因によって変動します。以下に、主な費用項目とその目安をまとめた表を作成しました。
費用項目 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
基本料金 | 移動の基本的な費用 | 50,000円 |
距離料金 | 移動距離に応じた追加費用 | 10kmあたり10,000円~ |
許可申請手数料 ※大型トレーラーハウスの場合 | 「基準緩和認定書」や「特殊車両通行許可証」の取得費用 | 100,000~200,000円 |
これらの費用はあくまで目安であり、実際の金額は業者や地域、トレーラーハウスの仕様によって異なります。特に大型のトレーラーハウスや、移動が長距離になる場合、費用が高額になる傾向です。詳細な見積もりを得るためには、専門の業者に直接問い合わせることをおすすめします。
トレーラーハウスを車両扱い、移動できることのメリット
トレーラーハウスを車両扱い、移動できることのメリットは次の3つです。
- ランニングコストを抑えれられる
- 売却しやすい
- 市街化調整区域や農地などに設置できる
ランニングコストを抑えれられる
トレーラーハウスは車両として分類されるため、固定資産税や不動産取得税が課税されません。 建物にかかる税金が不要で、ランニングコストを抑えることができます。
ちなみに、車両扱いであるため自動車税はかかりますが、年間10,200円程度です。建物にかかる税金と比較すると、総合的なランニングコストは大幅に抑えられます。
売却しやすい
トレーラーハウスは移動可能で、基礎工事を必要としません。その際に引っ越しをする際は、土地を更地で売却できます。
またトレーラーハウスは、中古車市場と同様に売買が行われています。トレーラーハウスの年式や状態にもよりますが、購入後の値下がり率は一般的な住居と比べても低いため、将来的には売却もしやすいです。
まとめ
住居用にしても業務用にしても、トレーラーハウスを移動、設置する際には業者に相談するのがおすすめです。複数の業者から見積もりを貰って、費用やサービス内容を比較してください。
少しでも不明な点があれば、積極的に質問しましょう。返答の仕方によって、その業者が信頼できるかどうかの判断材料になります。