トレーラーハウスに建築基準法は適用されない!その理由と規制について解説
「トレーラーハウスに、建築基準法は適用されるのか?」
この疑問は、日本でトレーラーハウスを検討する人が、最初に疑問を抱くポイントのひとつです。
居住スペースとしての快適さを持ちながら、トレーラーという車両扱いにもなる特殊な存在であるため、建築物としての扱いがどうなるのかは非常に重要です。
今回の記事では、建築基準法の知識、トレーラーハウスは建築基準法が適用されるのかについて解説していきます。
トレーラーハウスが建築物としてみなされない条件、建築基準法の対象外となる場合にどんなメリットが生まれるのかについて分かりやすくまとめます。
トレーラーハウスの購入で後悔しないために、トレーラーハウスの基礎知識ついて解説している記事です。
建築基準法とは?

建築基準法は、安全で快適に暮らせる建物を確保するための、最低限のルールを定めた法律です。
建築基準法には耐震・耐火性能、敷地との距離、構造の安定性など、建物が満たすべき条件を細かく定めています。
新しく建物をつくる際には、建築確認申請が必要です。これは違反建築を防ぐための重要な仕組みで、建築確認申請、中間検査、完了検査の流れで、建築確認の流れが進みます。
その建築計画が、建築基準法の基準に適合しているかをチェックする役割があります。
トレーラーハウスに建築基準法は適用されない
トレーラーハウスは、基本的に建築基準法は適用されません。トレーラーハウスが建築基準法の対象外となるのは、「車両」扱いで「建築物」ではないからです。
トレーラーハウスは車輪が外されていなかったり、地面へ固定されていなかったりする「いつでも移動できる状態」であれば、車両として認められます。
ライフラインが工具なしで着脱できるなど、恒久的な設置と判断されない構造であれば、法律上は建築物として扱われません。
建築物でない限りは、建築基準法は適用されることはないです。
建築基準法が適用されないトレーラーハウスの強みとは?

建築基準法が適用されないと、建築確認申請が不要だったり、市街化調整区域に設置できたりするといったメリットがあります。
| 建築基準法が適用されないメリット |
|---|
| ・建築確認申請が不要 ・基礎工事が不要 ・市街化調整区域に設置できる ・固定資産税がかからない |
建築確認申請が不要
建築基準法が適用されないトレーラーハウスは、建築確認申請が不要になる点が、メリットのひとつです。
つまり、移動可能で恒久的に固定されていないと判断されれば、通常の建物のように事前審査を受ける必要がありません。
これにより、設置までの手続きが大幅に簡略化され、事業や住まいの計画をスピーディーに進められます。
ただし、設置状況によっては建築物扱いとなる可能性があるため、基準の理解と事前確認は欠かせません。
基礎工事が不要
建築基準法が適用されないトレーラーハウスは、建築物として扱われないため基礎工事を行う必要がありません。
基礎工事が不要ということは、初期投資にかかる多額の費用や工事期間を、大幅に節約できます。
土台を作らずにトレーラーハウスを設置できるため、地面を大きく掘削する作業も不要です。さらに、基礎工事にかかる多額の費用や長い工期を節約できます。
事業開始や住まいとしての利用をスピーディーに進められるため、居住スペースを設置するまでのハードルが大幅に下がります。
市街化調整区域に設置できる
市街化調整区域とは、新たな建物の建築が制限されるエリアです。しかし、建築基準法が適用されないトレーラーハウスであれば、この制限を受けずに設置できます。
理由は、建築物とみなされない状態であれば「建築行為」に該当せず、開発許可や建築確認申請の対象外となるためです。
特に移動可能で恒久的に固定されていないと判断される場合、土地利用の自由度が大きく広がります。
通常では難しい地域でも飲食店をオープンできるなど、出店の幅が広がるのはメリットのひとつです。
トレーラーハウスの市街化調整区域に設置については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
固定資産税がかからない
建築基準法が適用されないトレーラーハウスは、固定資産税がかかりません。
固定資産税は「土地に定着した建築物」に対して、課される税金です。そのため、移動可能で恒久的に固定されていないトレーラーハウスは、課税対象になりません。
車輪が外されていない、基礎に固定されていないなど、建築物と判断されない状態を保つことで、税負担を抑えながら利用できるのが特徴です。
ただし、自動車税や重量税など、車両関係の税金は納める必要があります。
トレーラーハウスに固定資産税はかかる?については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
トレーラーハウスに適用される規制とは?

建築基準法が必要なく自由度の高いトレーラーハウスですが、規制がないわけではありません。
トレーラーハウスには、次の規制が適用されます。
| トレーラーハウスに適用される規制 |
|---|
| ・サイズの制限 ・ライフラインの接続 ・設置場所には一応の制限がある |
サイズの制限
トレーラーハウスには、道路運送車両の保安基準第2条でサイズの上限が定められています。
「全長12m以内」「全幅2.5m以内」「全高3.8m以内」であることが、トレーラーハウスが車両として扱われるための条件です。
| 車検付トレーラーハウスのサイズ条件 |
|---|
| 全長:12m以内 全幅:2.5m以内 全高:3.8m以内 |
この範囲に収まっているトレーラーハウスは一般車両として扱われ、公道を走行することができます。
一方で、どれか1つでも超えると特殊車両扱いとなり、公道を走行するには陸運局や警察に事前の届出が必要です。
ライフラインの接続
トレーラーハウスに建築基準法が適用されないためには、ライフラインの接続方法にも明確な条件があります。
それは、工具を一切使わずに水道管や電気配線を着脱できることです。
水道管や電気配線が、地中や建物のように恒久的に固定されていると、建築物と判断されてしまいます。
逆に、ホース式の給水やワンタッチで外せる電源接続など、簡易的で取り外しが容易な仕組みであれば、建築物扱いとはなりません。
トレーラーハウスのライフラインについては、こちらの記事でも詳しく解説しています!
設置場所には一応の制限がある
トレーラーハウスは建築物ではないため自由度が高いように思われますが、実際には設置場所に一定の条件があります。
最も重要なのは、安全に設置できる土地であることです。
地盤が不安定な土地では車体が傾いたり沈下する恐れがあり、段差や急な傾斜がある場所も設置が難しくなります。
また、公道から搬入するためにはトレーラーが通れる道路幅が必要で、接道が極端に狭い土地では搬入自体が不可能になることもあります。
さらに、長期利用する場合は車庫証明が求められるケースがあり、取得できない土地では設置が制限されます。
農地に置く場合は農地転用の手続きが必要になるため、用途地域に関係なく事前確認が欠かせません。
トレーラーハウスを設置する前に行政書士に相談を!

トレーラーハウスを導入・設置する際は、行政書士に事前相談をするのがおすすめです。
トレーラーハウスは基本的に建築基準法が適用されませんが、サイズ選びを間違えたり、ライフラインの接続方法を間違えたりすると、行政の審査に手間がかかります。
「どんなサイズならトレーラーハウスが車両扱いとなるか?」
「どんな土地なら問題なくトレーラーハウスを設置できるか?」
といった疑問については、自分で悩むよりも、法律に精通している行政書士に相談すれば解決できます。
トレーラーハウスの設置に強い行政書士も存在します。そのため、トレーラーハウスを導入・設置については、まず行政書士に相談しましょう。
まとめ
トレーラーハウスは、基本的に建築基準法は適用されません。建築物ではなくトレーラーとして扱われることで、建築確認申請が不要になったり、基礎工事を省けたりと、多くのメリットが生まれます。
一方で、サイズの基準やライフラインの接続方法、設置できる土地の条件など、守るべきポイントも存在します。
これらの特徴を踏まえれば、トレーラーハウスをより安全かつ自由度高く活用するための判断がしやすくなります。