使っていない土地を所有している場合、そのまま保有するか売却するか、またはビジネス活用して収入を得るかを悩む人は多いと思います。ただ、いずれを選択したとしても、土地の状態によっては「整地」という作業が必要です。整地をしないと土地の管理に手間取りますし、売却する際も値段がつきにくくなります。
この記事では整地の内容を含めて、整地にかかる費用相場について解説していきます。
整地とは?
整地とは、その名の通り土地を整える作業で、建築や耕作などのために平らに土地をならします。整地にはいくつかの方法がありますが、その土地にある不要物を取り除いて、土の凹凸を平らにするのが最低限の作業です。
土地をならした後は、砂やコンクリートで舗装したりもしますが、これには高額な費用がかかります。
整地の費用は最低でも「1㎡:300~600円」が相場
整地の費用は最低でも、1㎡あたり300〜600円が相場です。整地方法は色んな種類がありますが、これは「粗仕上げ」という最も安い方法で整地した場合の費用です。
30坪、50坪、100坪、200坪の土地を整地した場合、最低でもかかる費用相場は以下の通りです。
【坪数ごとによる整地の費用相場】
- 30坪=29,700~59,400円
- 50坪=49,500~99,000円
- 100坪=99,000~198,000円
- 200坪=198,000~396,000円
※粗仕上げで整地した場合で計算
詳しい整地方法については、次の項目を参考にしてください。
整地方法によって費用は変わる
前の項目で紹介した費用相場は、「粗仕上げ」という最も安い方法で整地した場合の料金です。整地には色々な方法があり、作業工程が増えたりクオリティが高くなったりするほど、費用も高額になっていきます。
整地方法の種類と、費用相場は下の表を参考にしてください。
整地方法 | 1㎡あたりの費用相場 | 1坪あたりの費用相場 |
粗仕上げ(粗整地) | 300〜600円 | 990~1,980円 |
砕石舗装 | 2,000〜7,000円 | 6,600~23,100円 |
砂利舗装 | 1,000〜1,500円 | 3,300~4,950円 |
真砂土舗装 | 3,000~4,000円 | 9,900~13,200円 |
アスファルト舗装 | 5,000〜10,000円 | 16,500~33,000円 |
コンクリート舗装 | 3,500〜6,500円 | 115,550~21,450円 |
防草仕上げ | 1,000〜6,000円 | 3,300~19,800円 |
※1坪=3.3㎡として計算
整地方法
こちらでは、それぞれの整地方法について、詳しく解説していきます。
粗仕上げ(粗整地)
粗仕上げは粗整地とも言い、最も費用を抑えることができる整地方法です。
建物を解体した後に、残った木材や残置物などの不要物を取り除きます。そして、土地を平らにして完了となる最低限の整地方法です。
土地の用途が決まっていない、もしくは新築の家を建てる人におすすめします。1㎡当たりの費用は、300〜600円が相場です。
砕石舗装
砕石(さいせき)舗装は、粗仕上げよりも見た目にこだわった整地方法です。
粗仕上げと同様の作業を経た後、砕石を敷き詰めて転圧作業を行います。ゴツゴツとした角があるため砕石同士が噛み合うことで、地盤を固められる整地です。土地の高低差が無くなり、見た目が綺麗になります。
1㎡当たりの費用は、2,000〜7,000円が相場です。
砂利舗装
砂利舗装は砕石舗装と作業工程は同じですが、仕上げに砕石(さいせき)ではなく砂利(じゃり)を使用します。砕石舗装よりも費用を安く抑えられて、1㎡当たりの費用は1,000〜1,500円が相場です。
雑草を生えなくすることができ、低コストで管理の手間を省けます。そのためアパートの駐車場スペースとして、土地を整地する際におすすめの方法です。
真砂土舗装
真砂土(まさど)舗装は不要物を取り除いた後、土地を平らにしてから真砂土を敷く方法です。
真砂土を敷くことで、土地の見た目が綺麗な状態になるため、土地を売却する際に少しでも購買意欲を高めることができます。1㎡当たりの費用は、3,000~4,000円が相場です。
コンクリート舗装
コンクリート舗装とは砕石で舗装を施した後に、鉄筋やワイヤメッシュを加えてコンクリートで固める整地方法です。
最も高額な整地方法で、1㎡当たりの費用は、5,000〜10,000円が相場です。ただし、コンクリートは強固で耐久年数が長いため、長期間の修繕費用を大幅に抑えられます。
そのため、コインパーキングなどの駐車場経営を検討している人に、おすすめの整地方法です。
アスファルト舗装
アスファルト舗装とは砕石で舗装を施した後に、アスファルトで舗装する整地方法です。
コンクリート舗装と比べると費用を安くできたり、工期を短くできたりします。ただし、コンクリートよりも耐久性が低かったり、夏場に路面温度が上がると変形しやすくなったりするのがデメリットです。
1㎡当たりの費用は、3,500〜6,500円が相場です。
防草仕上げ
防草仕上げとは、粗仕上げと同様に不要物を取り除いて土地を平らにした後、防草シートを被せる整地方法です。
雑草が生えなくなるため、土地を長期間保存しておきたい人に向いています。また、雑草が生えなくなることで害虫の発生を防げるため、農地として土地を活用する際に害虫駆除を行う必要がありません。
1㎡当たりの費用は、1,000〜6,000円が相場です。
整地の費用を安く抑えるには?
整地の費用を安く抑えるには、簡単な作業は自分で行ったり、複数の業者から見積もりを貰ったりすることです。
簡単な作業は自分で行う
整地の費用を安く抑えるには、業者に頼む必要のない簡単な作業を自分で行うことです。
たとえば、土地に散らばっているゴミを自分で片付けたり、小石やガラス片などもホウキやトンボで処理しておきましょう。雑草が茂っている場合は除草剤を撒いて、防草シートなどを設置します。
これらのような軽作業を自分で済ませておけば、少しでも整地の費用を安く抑えることが可能です。
複数の業者から見積もりを貰う
自分で簡単な作業をして土地をある程度整えたら、複数の業者から見積もりを貰って、サービス内容や料金を比較してください。また、注目するべきポイントは、見積もりの内容が詳細に記載されているかどうかです。
たとえば、費用の内訳を作業工程ごとに細かく記載している業者と、「整地作業一式」などで一括りにしている業者であれば、前者の方が親切と言えます。後者の場合は一括料金を謳いながら、後から追加料金が発生しそうな不安感があります。
そのため、業者を選ぶ際は複数の業者から見積もりを貰って、サービス内容や料金、見積書の書き方に注目して判断してください。そして不明な点が少しでもあれば、迷わず質問をして業者の反応を観察しましょう。
まとめ
保有するにしても売却するにしても活用するにしても、土地の状態が悪い場合は整地が必要です。自分で土地を保有しておくだけなら、粗仕上げが安く済みますし、管理コストを抑えたいなら防草仕上げがおすすめです。
整地費用を安く抑えるなら、簡単な作業は自分で行い、土地をある程度整えましょう。そして、複数の業者から見積もりを貰い、サービス内容や料金、見積書の書き方を比較してください。